酒蔵研修へ行ってきました2025~【2】大手町店料理長 石川さん | 稲田屋

NEWS

お知らせメインビジュアル

お知らせ

酒蔵研修へ行ってきました2025~【2】大手町店料理長 石川さん

2025年02月07日

こんにちは、事務所田辺です。

先日からお伝えしている通り、
東京稲田屋のメンバーが、今年も
米子市の蔵元 稲田本店にて酒造りを体験して参りました。

続きまして、大手町店料理長 石川さんの研修レポートです。

********************************

今回五日間という短い期間ですが、
酒蔵で酒造りの体験と微力ながらお手伝いをさせていただきました。

今までざっくりとした酒造りの手順は知ってはいましたが
実際に体験してみると、繊細さや大変さを感じることが出来ました。

■水汲み

まずは仕込み水を汲みにとなりの島根県の銘水百選に選ばれている
安来市広瀬町まで行かせていただきました。

酒蔵の近くは砂地でミネラルが多く含まれているそうで
酒造りには適さないようです。
またタンクにたまる水の量が少なく、昨年の雪の降る量が少ないと
水量も少ないとのことで、ここにも温暖化の影響が出ていると感じました。
今のところは用途に応じて水を使い分けているそうです。

■洗米

精米はお米の外側に多く含まれる脂分やタンパク質を取り除きます。
精米歩合によって本醸造、吟醸、大吟醸と別れるのは知ってはいましたが
驚いたのは次の工程の洗米です。
普通料理屋では米どうしをこすり合わせてガシガシ洗いますが、
酒用の米は精米歩合が大きいのでそのやり方だと米が崩れて蒸したときに
余分なデンプンなどが出て ベチャベチャになってしまいます。
そのため、貯めた水に一気に浸して泳がせるように優しく洗っていました。

米の品質や水温によっても違いますが、吸水率を正確に計る為、
洗う時間と水に浸しておく時間を計りながら秒単位で作業しているのが
印象的でした。また、前年のデータをもとに微調整を行っていました。

■蒸し~麹造り

その後は蒸す作業です。
前日に洗った米を甑(こしき)と呼ばれる巨大な蒸し器で蒸し上げます。
蒸した米は麴造り、酒母、もろみの仕込みに使われます。
まずは蒸したての熱々の米を広げて裏返してを繰り返して外気で冷まします。
適温になったら麴室と呼ばれる温度と湿度が一定の部屋(36℃前後)にて
麴を造る種付けをおこないます。この作業は信木杜氏のみがおこないます。
人の動きによる空気の流れを防ぐため杜氏以外は動いてはいけません。
この静寂な時間はとても神聖な気持ちになります。私は汗だくで眺めてました。
その後よく混ぜた後ひとまとめにして8時間ほど置きます。
次に切り返しの作業ですがこれがまた重労働でした。
カチカチに固まった蒸米を一粒一粒にほぐす作業です。
サウナのような部屋で全体重をかけて押し広げていきます。
中腰での作業も太めの私には大変な作業でした。

ちなみに「酒母」とは蒸した米に水、麴、酵母を加えたもので
清酒造りには欠かせないもので文字通り「酒の母」といわれているものです。
そして「もろみ」とは原酒のもとになるものです。
酒母に麴、蒸米、水を加えて三段階に分けて発酵させます。
段階を踏むことによってゆっくりと酵母の増殖を促し雑菌の繫殖を抑える方法です。

このもろみのタンクをかき混ぜる作業をやらせていただきましたが、
5~6メートルぐらいあるタンクの上に乗って作業するのですが、
蔵人の人から「落ちたら死ぬから気をつけてくださいね」の一言。
酵母が増殖するとアルコールと二酸化炭素の生産が始まるようで、
酸欠になるとのことでした。命がけです。

 

■搾り

その後20日ほどかけて発酵を終えたもろみは搾りの作業に入ります。
圧搾機という機械にもろみを流し込んで空気圧で段階的に搾ります。
出来立ての清酒を試飲させて頂きましたがシュワシュワしていて
フルーティーな感じがしました。
(他にも大吟醸などは圧搾機を使わずに、
袋に入れて自然に滴り落ちる雫を集めるやり方もあるそうです。)

その後圧搾機で搾り取ったあと酒粕を剝がす作業をやらせていただきました。
普段みている酒粕はこうやって集めているんだと楽しく作業できました。
続いて~貯蔵、瓶詰め、出荷となるそうです。

今回の酒蔵研修では改めて酒造りの大変さと奥深さを学びました。
素人同然の私を優しく教えていただき稲田屋本店の皆様に感謝申し上げます。
お酒の知識や経験を活かして、今後はお客様へご案内しやすくなると思います。
今後の仕事にもプラスになると確信しています。
この度は研修に行かせていただき、ありがとうございました。



 

********************************

石川さんは、大手町店の料理長です。
料理人ならではの視点がちょいちょい顔をのぞかせ面白かったですね。

蔵の角田さんからは、こんなコメントが届いています。
『いつもニコニコされている石川さんですが、蔵に入るとキリっと
顔つきが変わって、一生懸命蔵仕事をされているのがすごく素敵でした!』

石川さんは『いなたひめ良燗純米』の仕込みに関わったそうですよ。

大手町店のカウンターで見かけた際には、
ぜひ研修について話を聞いてみてください。いっぱい話してくれるはずです。

PELATED POST

関連する記事

稲田屋スタッフ奮闘記

2025年02月14日

酒蔵研修へ行ってきました2025~【4】パレスビル店主任 鞠子さん

こんにちは、事務所田辺です。先日からお伝えしている通り、東京稲田屋のメンバーが、今年も米子市の蔵元 稲田本店にて酒造りを体験して参りま

稲田屋スタッフ奮闘記

2025年02月12日

酒蔵研修へ行ってきました2025~【3】霞が関店主任 山口さん

こんにちは、事務所田辺です。先日からお伝えしている通り、東京稲田屋のメンバーが、今年も米子市の蔵元 稲田本店にて酒造りを体験して参りま