酒蔵研修へ行ってきました2025~【3】霞が関店主任 山口さん | 稲田屋

NEWS

お知らせメインビジュアル

お知らせ

酒蔵研修へ行ってきました2025~【3】霞が関店主任 山口さん

2025年02月12日

こんにちは、事務所田辺です。

先日からお伝えしている通り、
東京稲田屋のメンバーが、今年も
米子市の蔵元 稲田本店にて酒造りを体験して参りました。

続きまして、霞が関店 主任 山口さんの研修レポートです。

********************************

■1日目
午後に酒蔵に着いて最初にした作業は水汲みでした。
場所が往復で2時間弱かかる山の麓で、酒蔵にも井戸はあるのですが
海が近く酒造りに適さない水なので取りに行く必要があるとのことでした。
稲田屋の日本酒は、あまり角がなくスッキリまろやかなお酒のため、
鉄、マンガンが少ない山の麓の水を使っているんだそうです。
山の麓まで汲みに行っていることに凄く驚きました。
水の性質によって全然違うお酒ができるんだと初めて知りました。

酒蔵に戻って来てから仕込み蔵の温度管理の作業を見せていただきました。
タンクに入ったもろみを、下から上にかき混ぜ
発酵を促し、温度が一定になっているかを確認する作業。
タンクの中では並行複発酵という、米(でんぷん)が麴によって糖化され
ブドウ糖に⇒ブドウ糖が酵母によりアルコール発酵をおこし、
エチルアルコールと二酸化炭素を発生させます。
仕込み蔵にはその発生したエチルアルコールと二酸化炭素があり、
酸素が他の場所に比べ薄いとのことでした。
なのでタンクの中はぶくぶくと泡がでており、
覗き見るのも気を付けなければならない危険な場所でした。

「切返し」という作業をしました。
切返しとは、その日に蒸しあげたお米に麴菌をかけてまとめていたものをくずし、
手作業でお米をほぐしていきもう一度まとめる作業のこと。
麴菌の成長を促すため、温度、水分の均一化、麴菌への酸素供給をするため~
切り返しを行った部屋が、麴菌を成長させるため室温35℃くらいになっており
30分も作業をしていれば汗が噴き出て来ます。
切り返しの作業中、ものすごく意識が飛びそうになりました。
この作業をする蔵人は本当に凄いなと思いました。

■2日目
朝6時の作業で前日に切り返しをした麴米をもう一度くずし
機械にかけパラパラにした後、木の箱に等分にして入れ一定の高さにして
光を通さないシートをかけ、温度計をさして作業完了。
次に蒸米をするため、米を蒸釜に二段回にして入れる作業を見学。
この日は日本酒の酒母を作るためのお米と、
麴菌をかけるためのお米の二種類の仕込みでした。
ここまでの作業を7時までにやるため、迅速さが求められました。
7時に朝食をとり、蒸米があがる8時までは休憩。
8時からは、あがった蒸米を素早く冷却するため、
すのこの上にライスネットをひいたところに麴米にする蒸米を広げ
それを何度もひっくり返し広げる作業をしました。
冷めた蒸米は制麴室に運び、蒸米を高さ7センチに広げ
信木杜氏が麴菌をまき、32℃の温度になるまでひっくり返す作業をしました。

そのあと酒母に放冷機でさました蒸米を入れる作業をしました。

次の日の仕込みで使うお米を洗米をしました。
日本酒で使うお米は浸水量を決めており134%になるように浸水していきます。
浸水時間が狂わないように秒単位で時計を見ながらやりました。
神経を張ってやらないと時間がずれてしまって浸水時間が狂ってしまうと思いました。

昼食をとり午後は後片付けと次の日の蒸米をするための準備、切返しをしました。



■3日目
朝最初は制麴室の木箱から麴米を取り出し麻布に入れとなりの制麴室に運び、
温度をさげるために一枚ずつ麴米を広げました。
その次に前日、切返しをした麴米をくずしてふるいにかけばらばらにして
木箱にいれました。
少し片付けをして朝一の作業は終了、朝ご飯を食べて休憩をして蒸米を窯から
出す作業をして午前中は片付けと次の日の仕込みの準備をしました。
その間にその日は上槽。仕込み蔵のタンクからもろみを専用の機械に通し
酒粕を残し日本酒を搾る作業を見させていただき、その搾りたての日本酒を
試飲させていただきました。
しぼりたては中に発酵したときのガスが残っており舌がビリビリする感覚があり
いつも飲んでいる日本酒より味も香りも強かったです。
午後は酒粕を量る作業と切り返しの作業をしました。

■4日目
朝一の作業は3日目と同じ作業をしました。
午前作業は制麴室で広げてあった麴米を仕込み蔵に移す作業をして
酒粕を機械からはがす作業をしました。
午後は次の日に使う蒸釜の準備と片付け、切返しをしました。
少し空き時間に信木杜氏に詰め場を案内していただきました。

■最終日
朝一の作業は前日と同じ作業をしました。
午前は仕込み蔵のタンクに放冷機でさました蒸米を運び入れました。
量がとても多く何十回もやりました。今回の研修の中で一番大変な仕事だと思いました。
その他に片付けをして研修終了となりました。

今回酒蔵研修を通して、事前に日本酒のことを調べていたが自分が思っていた
お酒造りとは全然違い、科学的知識、体力がないとできないんだなと思いました。
特に温度管理の徹底にはここまでする事で美味しいお酒造りにつながるんだと思いました。
酒蔵研修で学んだことを活かし、お客様により一層お酒と料理を
楽しんでいただけるような形を提供していきたいと思います。

********************************

山口さんは、霞が関店のキッチンにいます。
料理人ならでは?絶妙な語り口がキャラにあっていて魅力的な人です。

蔵の角田さんからは、こんなコメントが届いています。
『山口さんは物怖じされず、色々なことに興味を持たれたり、
分からないことは聞かれたりと積極的で、料理や、食材へのこだわりも
すごく感じられました。お酒造りを体験して、色々と気付きがあったようで、
さすが職人さんだな…!と思って拝見しておりました。』

山口さんは『純米吟醸いなたひめ強力』と、
ほんの少し『純米大吟醸いなたひめ強力』の仕込みに携わったそうです。

お酒が届くの楽しみですね。
今回得た知識や感動を、お客様の前でお話できる機会があることを
願っております。<(_ _)>

PELATED POST

関連する記事

稲田屋スタッフ奮闘記

2025年02月14日

酒蔵研修へ行ってきました2025~【4】パレスビル店主任 鞠子さん

こんにちは、事務所田辺です。先日からお伝えしている通り、東京稲田屋のメンバーが、今年も米子市の蔵元 稲田本店にて酒造りを体験して参りま

稲田屋スタッフ奮闘記

2025年02月07日

酒蔵研修へ行ってきました2025~【2】大手町店料理長 石川さん

こんにちは、事務所田辺です。先日からお伝えしている通り、東京稲田屋のメンバーが、今年も米子市の蔵元 稲田本店にて酒造りを体験して参りま