酒蔵研修へ行ってきました2026~【1-⑥】ももてなし家 恩田さん | 稲田屋

NEWS

お知らせメインビジュアル

お知らせ

酒蔵研修へ行ってきました2026~【1-⑥】ももてなし家 恩田さん

2026年02月14日

こんにちは、事務所田辺です。
昨日に続き、酒蔵研修2026・恩田さんの最終日です。

****************************************************************

米と水、熱と冷、人と菌。5日間を終えて

5日間の酒蔵研修を終え、
恩田が口にしたのはこんな言葉でした。

「お店にあるお酒が、
“当たり前にそこにあるもの”じゃなくなりました」

米と水。
熱気と冷気。
人と、目に見えない菌。

そのすべてを、人が調整し、支え、見守ることで
一本の酒が生まれている。

今回の研修は麹を中心とした内容でしたが、
「次は酵母や、別の工程ももっと知りたい」
と、次への意欲も生まれたようです。

現場で得た経験は、
きっとこれからの仕事や、お客様への一言に、
静かに滲んでいくはずです。



最後になりますが、恩田さんのレポートを貼っておきます。
普段は寡黙な彼の、胸に秘めた熱い思い✨をお楽しみください。

****************************************************************

酒蔵研修体験記
「米と水、熱気と冷気、人と菌 (あと上と下)」  恩田雅貴

大寒を過ぎ、冬の冷え込みが増す頃、鳥取県米子市唯一の酒蔵「稲田本店」に行ってまいりました。
ものの本によると江戸時代に酒造りは冬に行うこととなり、「寒造り」として現在も冬が日本酒造りのシーズンとなっているそうです。
お米は地元鳥取県や兵庫県の、仕込み水はお隣、島根県の山間部まで赴いて伏流水を汲んで使用しています。
日本酒は基本的にお米とお水を原料に、そこに麹菌や酵母菌の力を借り、約一か月の色々な工程の中で人が調整しながら出来上がります。
米と水、まさに日本の文化に根付いた原料の結晶が酒です。

1月後半の日本海側とあり、研修の5日間は雪が降っては止みの連続。
酒蔵はそんな冬の外気と同じ温度の中、早朝から仕込みの仕事が始まります。

朝一から伸木杜氏と共に酒蔵3Fの「麹室」の中で麹に係る仕事を行います。
麹室内は30℃ほどのドライサウナのような環境で、少し作業を行うだけで汗が噴き出てきます。
この時間は二日目の麹の「通し」(麹米の塊を細かくする作業)や三日目の麹の「出麹」(出来上がった麹米を冷室に運ぶ作業)を行い、
その後麴室の外、一気に外気温と同じ寒さの中へ向かいます。
そこでは「甑(こしき)」での蒸米の準備が進んでおり、一時間ほど後にお米が炊き上がります。
蒸米が終了する頃、甑周辺は蒸気でホワイトアウト状態に。
熱々のお米を木のお櫃に入れて運び、広げては裏返しを繰り返して人肌ほどの温度に冷ます、
とにかく熱気を伴う作業を冬の寒さを利用して温度管理を行うのが「寒造り」なのだと実感しました。
また、酒蔵では洗剤は使用せず熱湯で器材の洗浄や殺菌を行う為、冬の寒さの中、常に蒸気が上がっていました。

適温に冷めた麹用のお米は麹室に運び、2 ~ 3 cm程に広げて杜氏が麹菌を振ります。
ミクロン単位の麹菌は舞い上がりやすいので、杜氏が麹菌を振っている間は静かに見守るだけ。
見えざる存在に成り行きを任せながら杜氏がふるいを振るのを見守る、ふるいの音も相まってさながら神事に参加している様。
麹が落ち着くのを待ち、お米を裏返して同じく麹菌を振った後、また温度を確認しながら何度も裏返して夕方まで寝かせます。
夕方になったら固まった麹米をほぐす「切り返し」の作業。今回の研修で経験した最初の作業がこの切り返しでしたが、
作業台に敷いた布の上で「すりおろす様に」(杜氏談)掌でひたすら擦る作業です。
30℃とは言え中腰で黙々と作業を続けているうちに暑さで意識が遠のく中、固まる腰と格闘する、酒蔵の洗礼を浴びた初日となりました。
それでも5日続けるうちに体が慣れてきたのか、意識が遠のくまでの時間が伸びました(最終日でも意識は相変わらず遠のきました)。

また、仕込み用のお米(掛米)は1F, 2F吹き抜けの「仕込み蔵」や3Fの「醸造蔵」の醸造タンクへと人の力で何往復もして運びます。
1Fの精米機でお米を精米した後、機械の力で3Fまでお米を上げますが、下すのは人の足での作業となります。
今日では工業的にお酒を造る酒蔵もありますが、稲田本店では人の力によるところが多く、その分丁寧に作業を行うことが求められました。
普段も飲食業従事者としてお米の一粒も無駄にはしないと仕事しているつもりでしたが、それ以上にお米の一粒に気を配る必要があり、
また木製の器材も多く木の欠片の混入にも気を付けなければなりません。人の力によるところが多い分、丁寧にお酒が造られていました。

普段、「当たり前のようにお店にある」、「頼めば来る」と思っていた稲田本店のお酒でしたが、
実際に現地に赴き、蔵人たちと作業を共にすることで、酒造りの大変さ、知識のみであやふやだったことに関して詳しく知ることが出来た、
また、それが出来るほど皆様に温かくサポートして頂けたありがたい5日間でした。

****************************************************************

次回は、もう一人の酒蔵研修生のレポートもご紹介予定です。
どうぞお楽しみに。

PELATED POST

関連する記事

稲田屋スタッフ奮闘記

2026年03月02日

【ご報告】コレド室町店 齋藤店長が「利き酒師」に合格しました

皆さん、こんにちは。稲田屋本店事務所の田辺です。このたび、コレド室町店の齋藤店長が、利き酒師の資格試験に合格いたしました!日々日本酒に

稲田屋スタッフ奮闘記

2026年02月18日

酒蔵研修へ行ってきました2026~【2-③】コレド室町店 高橋さん

こんにちは、事務所田辺です。昨日に続き、酒蔵研修2026・高橋さんの最終日です。最後に高橋さんのレポートを掲載します。周囲を自然と明るくす

稲田屋スタッフ奮闘記

2026年02月17日

酒蔵研修へ行ってきました2026~【2-②】コレド室町店 高橋さん

こんにちは、事務所田辺です。酒蔵研修2026・高橋さんの続きです。****************************************************************高橋さんが研修で体験したのは、